ハッピーバースデイ vol.3 [*Baby]
Happy birthday to you.
陣痛が始まって半日
薄暗い分娩室の分娩台にあがって
なんだか急に不安になりながらも
無事に元気な赤ちゃんを産むんだと気合いを入れなおす。
ここからは、出産のお話が佳境に...
痛いのが苦手な方、興味のない方はスルーしてね。
だんなさんと母が病院に到着して
ふたりの顔を見ると、少しほっとしました。
もうひとりじゃないんだ、と。
陣痛促進剤の点滴が、ぽたりぽたり
ようやく、じわじわと、またあの痛みがやってきました。
うー 痛い(涙)
陣痛がくるたびに、深く深く体中の空気を抜くかのように息を吐き
顔を歪めて、静かに時間が流れて行きました。
分娩室には、赤ちゃんの心音と陣痛の波が機械音になって聞こえるだけ。
そんな中、お昼ごはんが運ばれてきます(Φ_Φ)ノわぉ
まだ産まれていないけど、破水をして入院が1日早まったために
「お祝い膳」でした...
母とだんなさんに食べさせてもらい
食べるのか!? 私??
と思いながら、ぱくぱく(・_・) 少し食べたよ。
痛みの間隔がどんどん狭まってくるけど
助産師さんもいるし、だんなさんも母もいると思うと
夜中のひとりぼっちより心は落ち着いていました。
「がんばってねー」と様子を見に来た先生。
痛みに耐える私や心配そうなだんなさんと打って変わって陽気。
私も「はい、よろしくお願いします」と笑えたよ。
そして、どれくらいたったのか骨盤や腰や下腹部や
もうどこが痛いのかもわからない状態に。
誰か、この点滴を止めて! とさえ思う中
すぐ隣の分娩室から叫び声が...
「痛いよー、イタイ、イタイ、痛い痛い痛い、いったぁぁーいっっ」
病院中にこだまするような悲鳴のような叫び声に
私もだんなさんも母も驚いて、目をあわせました。
これから私にもあんな痛みがくるのかも、
これ以上痛いなんて耐えられない!! と、恐怖がむくむく
思わず助産師さんに聞いてしまいます。
「私もこれからもっと痛みが増すのですか?」
すると、彼女は笑顔で言いました。
「ううん、かなさんと子宮口の開き具合は同じくらいですよ。
同じ時間に産まれるかもね♪」
「よかった、がんばります」
そして、隣の分娩室からは、さらに叫び声が。
もう言葉ではなくて、絶叫するような悲鳴。
そのなんとも言えない空間にいて
ずっと私をそばで励ましてくれていただんなさんが真っ青な顔に。
「大丈夫? 椅子にすわったら?」
出産中に、だんなさんを心配するなんて思わなかった(Φ_Φ)
だから、意外と冷静なんだなと今になって思います。
それからは、もうアドレナリンが出て
「痛くないんですけど?」と聞く私(笑)
陣痛がなくなったのかも...と不安になったの。
「それは産む痛みを受け入れてる証拠。すごくがんばって耐えてるね。
そろそろおなかに力を入れてもいいですよ」
助産師さんの励ましの声に、ぎゅぅーぅぅう
レバーをつかみ、腹筋をフル稼働(≧△≦。)
そんなふうに何度も何度も力を入れて
助産師さん: 「もう頭が見えていますよ」
だんなさん: 「がんばって、もう少しっ」
母: このときすでに退室。 見ていられなくなったとか。
連日の寝不足で、意識が遠のく私。
どこか別の世界から、声が聞こえてくるようでした。
そして、産まれる間際に先生が登場。
「少し切りますねー」と
ちょきちょき、切開されて、最後の力を振り絞り ぎゅうぅぅぅー
そして、まもなく...
「ふんにゃー」
無事に産声を聞くことができました。
すぐに私の胸に産まれたてのベビがやってきて
「はじめまして」のご挨拶。
わが子との初対面は、疲労感と達成感の感情が入り混じった中
まさに「未知との遭遇」です、うん。
でもね、感動を味わっている間もなく
先生や助産師さんがガチャガチャと器具を慌ただしく用意し始め
「ちょっと出血が多いし止まらないから、筋肉注射を打ちますねー」
な、なに、なに?
やっと、この痛みから解放されたと思った途端。
大きな注射針が腕に突き刺さる。
そして、産後の後処理が痛いのなんのって(涙)
「先生、痛いです!」と言ってしまうくらい
陣痛のときは、痛いなんて言わなかったのに(・_・)
本当、陣痛より痛いかも。
分娩が始まってから 8時間32分。
午後4時32分に産まれました。
出血量は約900cc。
しばらくは貧血で、顔が真っ白の死人状態。
車椅子で部屋へ移動でした。
こうして、すごく辛くて、すごく大変だったけど
落ち着いて、理想だった静かな分娩を終え
3,020g、49.5cmの元気な男の子を抱くことができたのです。
幸せすぎて、胸がいっぱいで、出産当日は眠れなかった。
それに、体中が筋肉痛のような感じだったよ。
そんな出産のおはなしでした。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
おしまい
あ、隣の分娩室で絶叫していた彼女。
出産当日の朝、診察室の前で私と同じように陣痛で苦しんでいた妊婦さんでした。
同じときに同じ苦しみを味わった仲。
入院中もいろいろ話をしたり、連絡先を交換したりしたよ。
いまも、この記事を書いていると、彼女と彼女の娘ちゃんの顔が浮かびます(≧ー≦)
頑張りましたね(;o;)
かなさんの記事を拝見していたら
出産の時の事が蘇ってきました!
だんなさんの方が心配だったことや
陣痛より後処理の方が痛かったこと
出産した日に興奮し過ぎて眠れなかったことなど
共通点が沢山あって(^^)
ベビちゃんは、いたずら沢山していますか?(*^.^*)
by tomotomo (2010-04-09 00:47)
い、いたい痛いイタイよぅ~~(。>_<。)
でも、読み終えた瞬間、おんなじようにほっとしてちょっと泣けちゃった。
凄くシアワセな気持ちが私にも降ってきましたヽ(´ー`)ノ
伝えてくれて、ありがとです(._.)φ
そして、出産から無事に過ごしてきた今までの時間に祝福を♡
これからもっとずっといっぱい、シアワセを分かち合えますように…☆
by ひろころ (2010-04-09 17:27)
そういえばそうだった。(笑
こっちはイタイイタイって思ってるのに、
お医者さんと看護婦さんたちは「はい、痛いよね~」って感じで、
何だか温度差があったなぁー
病気じゃないんだからって言われて「そうだった」って思ったけど、
あの温度差は最初違和感モリモリだったっけ。(* ̄ω ̄)
by にこちゃん (2010-04-09 18:52)
分娩が8時間半だったんですか~ そりゃ大変でしたね。。。
でも ずっとお腹の中にいた分身が 出てくるんですもんね~
お産ってすごいなぁとあらためて感じました。
by mire3030 (2010-04-10 05:36)
かなさん、こんばんは。
私はTVドラマなんかで、泣き叫ぶ出産シーンしか知らなくて(笑)
生む間際まで歩き回っていたお陰もあってか、いぬころ産。
ラマーズ法、バンザ~イでした。
陣痛促進剤の苦しさは複数の友人から聞いています。
かなさん、がんばりましたね ゙☆⌒o(*^ー゚)♪
by GAYO (2010-04-11 00:43)
かなさん、本当に頑張ったね(^_^)
赤ちゃんが生まれてくると言う事は、
本当にすごい事なんだなぁ・・・と、
かなさんの記事を読んでそう思ったよ。
by sasasa (2010-04-11 18:34)
やっぱり出産ってすごい事なのですね。
分かってはいるけどこうやってお話を聞くとますます実感します。
かなさんもダンナ様もお母様もお疲れさまでした。
ベビちゃんは頑張った皆さんにとって素晴らしいご褒美ですね♪
by うさこ (2010-04-11 22:36)
かなさん、お疲れ様でした。
ふぅ、読んでいて手に汗握っちゃったよ~!
私、一応陣痛も味わったからね、あの痛みは味わったからね。
私はご飯が食べれなかった。吐くばっかりで。
そうそう、出産の後処理が痛いって言うもんね。出産よりも・・・。
友達も、姉もそう言っていた。
私は帝王切開だったから産後の後処理の痛みは分からないけど。
でもさ、すんごい痛みを耐えて生まれた命って愛おしくってたまらないよね~。かなさんの記事読んでいたら改めてそう思ったよ。
by riko (2010-04-13 08:21)
みなさま、こんばんは❤
いつもありがとうございます。
そして、全然ご訪問できなくてすみません。
たまにパソコンを開くとき
ここのコメントを読むのが1番の楽しみです~
だからコメントのお返事もできないけど
コメント欄を閉じちゃえないのでした。
by かな (2010-04-14 19:50)
私も5年前を思い出しました。出産って本当奇跡です。すごいことなんだなぁぁぁって改めて思いました。かなさんちのカーテンかわいい。
by あこ (2010-04-15 13:33)
本当にお疲れ様でした!!
でもかなさんの感動も伝わってきて
ほっこりした気持ちになれました^^
出産を経験した女性・・・改めてスゴイって思います!!
by ちゃるこ (2010-04-15 17:59)
かなさんこんにちは。
おいそがしい毎日の中、ご訪問ありがとうございました。
「かなさんだわ♪」と、とっても嬉しかったです(^-^)
お産のお話・・・まるで自分の18年前を読んでるようで。
私もあまり声を出さない(結構静かな(^^ゞ)良いお産だったと
思うのですが、産後の後処理でちょっと暴れました(笑)
陣痛中は眠くて仕方がなかったのに、産後一晩中眠れなくて
困った覚えが。ものすごくコーフンしていたんでしょうね(^^ゞ
お産の思い出を友人たちと語る時は「武勇伝」自慢大会です♪
by ゆな☆ (2010-04-23 09:40)